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第20話「船はとても遠くへ」 [MFL~STORY~]

~前回までのあらすじ~
すごくあっさり

~ファーム~

ナイジ「・・・というわけです」
リトバ「なんか 淡々と語られましたが・・・
    すごく大きな発見だと思うんですけど・・・」
フラセール「だよなあ ヒノトリを見たなんて
      言っても信じてもらえないくらい凄い発見だ」

ナイジ「でもマイヤさんの言うには体だけじゃ
    ヒノトリも機能しないって・・・」
マイヤ「・・・ まぁ そう書いてあるから 古代文字で」
ティッキ「今はもう氷の底だしねー」

リトバ「あ! ヒノトリにはムーみたいな思念体がないんでしょうか?」
マイヤ「聞いたこともないわね」
フラセール「即答だな・・・」

エルナ「・・・やっぱり ムーは
    私達人間の手で倒さなきゃいけないのね」
ナイジ「お オレもそう思ったんです!
    ヒノトリに頼れないって知って むしろ 使命感というか」

マイヤ「もう残された選択肢は少ないわ
    出来るだけ早くトーチカに行って ムーの分身を叩く
    そうする他ないんじゃなくて?」
リトバ「でもウル長老が絶対許してくれませんよね・・・」
ティッキ「うぅー」

ナイジ「・・・また抜け出すように内緒で行くしか・・・」
フラセール「出て行けたとしてもあの距離だと・・・
      長引けば数ヶ月の船旅になるだろうし・・・」
リトバ「帰ってこれる保証も・・・」
エルナ「私も・・・ トーチカへ行った船が帰ってこないなんて
    婆様に聞いちゃったら・・・ 今船を出すのは・・・」
ナイジ「確かに 百発百中だし・・・ ウル長老の夢・・・」
マイヤ「・・・」


マイヤ「アナタたち 今が平和ならそれでいいの?
    ムーが復活するまでは安全だから
    災厄が起きるまで幸せでいれば そう言いたいの?」

エルナ「だとしたら 何が悪いの!?
    少しでも長く 皆と一緒にいたいの!
    皆も・・・ 皆もそうでしょ!?」
フラセール「エルナちゃん・・・ そうだな
      今後ムーが復活しても
      皆で力を合わせれば倒せるかもしれないしな」
リトバ「そ そうですよ! それにウル長老が
    皆無事に帰ってくる夢を見るかもしれないし・・・」
ナイジ「(行くのはオレなんだけどな・・・)」

マイヤ「かもしれない かもしれないって・・・
    ムーが復活してからじゃ遅いかもしれないのよ!」

ティッキ「・・・じゃあ ティッキが一人で行く!!」
マイヤ「あら 私も行くわよ
    少なくとも何もせず手をこまねいてるよりマシね」
フラセール「・・・ ティッキちゃん それにマイヤ女史・・・
      言い方は悪いかもしれないけど・・・
      2人が行って何になるっていうんだい?」

ティッキ「何にならなくても行く!!
     今のティッキたちが幸せでも
     未来の人たちにつらい思いをさせたくない!
     あのときのティッキみたいに
     一人ぼっちにさせたくない!!」
フラセール「ごめんなさい」
ナイジ「・・・」

マイヤ「戻ってこない故郷とかのことを愚痴る馬鹿女」
リトバ「う・・・」

マイヤ「師匠だか何だか知らないけど不幸自慢ばかりのキザ男」
フラセール「・・・」

マイヤ「人と一緒にいなかったからっていい年してガキみたいな娘」
ティッキ「・・・」

マイヤ「連れていたモンスターがいなくなったからって
    ナイジの世話をして気を紛らわすズルイのもいるわね」
エルナ「・・・」

マイヤ「あと寝癖のひどい なんちゃってブリーダーもそうね」
ナイジ「え・・・」

マイヤ「そんなのがこれ以上増えるかもしれない
    それでもいいの!?私は御免だわ」
エルナ「・・・」
ティッキ「それを言うなら 一緒に旅してた人がいなくなったから
     やさぐれた眼鏡のお姉さんも追加だねー」
マイヤ「・・・」
ティッキ「・・・」
マイヤ「・・・そうね 言い過ぎたわ」

フラセール「・・・分かった!分かった! オレも行くよ!
      2人の言うとおりだ あんな思い
      他の誰にも して欲しくないからな」
リトバ「じゃあアタシも行きます! 石とかを投げて戦います!」
ナイジ「(だちょークラブのノリじゃないか・・・)」

エルナ「でも でも 皆が行ったからって
    今ここにいる人で ムーを倒せるとしたら
    ナイジとチモックだけ・・・
    私達が束になって戦っても どうにもならないって・・・
    ・・・分かってるじゃない・・・」
ナイジ「(・・・冷静に考えたらそこに収束するよな・・・)」

エルナ「それに この島からトーチカに行けるとしても
    デーボさんの船だけ・・・
    行きたくても行けないことだって・・・
    戦いたくても戦えないじゃない・・・」
マイヤ「なら私がどこへでもいけるような船を造るわ
    それが出来るまでここで働いてあげるから 感謝しなさい」
ナイジ「・・・」

ティッキ「ティッキも手伝う!」
フラセール「もちろんオレも」
リトバ「・・・あ アタシは~・・・ 手伝います・・・」
マイヤ「そうと決まれば早速設計にかかるわ
    いい? アナタ達2人がなんと言おうと
    私達はトーチカへ行きますから じゃ」

エルナ「・・・」
ナイジ「・・・オレも・・・?」
チモック「キュー・・・」

・・・

ナイジ「・・・皆行っちゃいましたね・・・」
エルナ「ナイジ・・・
    皆 本当にしばらくしたらトーチカに行っちゃうと思う
    なんとか 止めないと・・・ 皆・・・」
ナイジ「・・・お オレも 引き止める方法を探してきます!」
エルナ「・・・うん・・・!」

~タウン~

ナイジ「とは言ったものの・・・
    どうすればいいかなぁ~~・・・」

ランナ「んナアアアアアイジイイイイ!!!」
ナイジ「げぇっ!ランナ! と・・・
    み みなさんお揃いで・・・」

ランナ「・・・トーチカに行くって」
ナイジ「ど どこでソレを・・・ あ」

ミリーア「薄情なやっちゃ もっと早うに言うてほしかったわ~」
ボバン「うん うん あ ナイジくん こんにちわ!」

ナイジ「あ どうも で なん ですか? この集まりは」
ランナ「バカ」
ガッ
ナイジ「あいたー!バケツで殴るなよ!」

ランナ「みんなアンタたちがムーを倒しに行くっていうから
    協力してくれたんじゃない!それにこれ桶!」
ナイジ「えぇ!? でも オレそんなこと言った覚えは・・・」

ツェーテ「マッカムさんが島中を回ってお願いしてましたわ」
アトリ「半ばあれは脅迫だったがね・・・」
ナイジ「えぇ!? あの鉄仮面が!? ありえん・・・」

ランナ「まぁ そういうこと だからウチからは
    船に貯蔵できる保存食と水 アンタにツケてあげるから
    感謝しなさいよね」
ナイジ「それって押し売りっていわないか・・・?」

ミリーア「ミリーアちゃん秘蔵の仙薬!たんまりもってってや!
     コミコミで10万! 出世払いでええで!」
ナイジ「・・・」

ボバン「家財工房とギルド会館からは 船のパーツと推進剤だよ!
    チューンナップは任せておくれよ!」
クワージィ「出来ることといったらコレくらいだからねぇ」
ナイジ「クワージィさん ボバンさん!」

ボバン「あと ファームに頼まれてたベッドを送っておいたよ
    でも 旅立ちの日に 寝坊しないようにね!」
ナイジ「あ ありがとうございます!!」

ガラカラ「モンスターの装備は任せておくんな!
     とっておきの護符を用意しといたよ!」
アトリ「ボクからは この鍵時計を・・・
    いついかなる場所でも時を見失わないように
    限りある時を告げる 美しい 鍵時計を・・・」
ナイジ「た・・・大切にします!」

ツェーテ「私からは こちらをお贈りしますわ」
ナイジ「こ これは・・・!」
ツェーテ「蒼銀スクド鎧 私の店で一番の装備ですわ
     ナイジさんの体に合うよう仕立てましたのよ」
ナイジ「す すごい・・・ も もらっていいんですか!」
チェーテ「あったぼ・・・ もちろんですわ」

ナイジ「やったー! 皆さん ありがとうございます!」チラッ
モーディ「・・・!」
ナイジ「・・・」
モーディ「・・・う な なんなのねその目は・・・」

ボバン「はっはっは! モーディさんはこの一大プロジェクトで
    物流ラインを確保してくれたんだよ!」
ツェーテ「そうですわね モーディさんがいなければ
     手に入らないような材料もございましてよ」
ナイジ「そ それは・・・ ありがとうございました!」
モーディ「そ そうなのね モーディもやるときはやるのね!」

ナイジ「これで すぐにでもトーチカへ行けます!
    必ず 必ずムーを倒して帰ってきます!」

シェマ「これは何の騒ぎですか」
ロンガ「ガッハッハ! 上からも見えてたぞ!」
ナイジ「ゲ」

シェマ「ゲ とはなんですか ゲ とは・・・」
ロンガ「そう身構えるな! オレたちは味方だ!」
シェマ「私とロンガ長老で なにか出来ることはないかと」
ロンガ「おう! そんで コレをお前にやろう!」

ナイジ「これは・・・」
シェマ「光ってない光の剣です」
ナイジ「・・・それって要するにただの剣じゃ・・・」

ロンガ「ガッハハハハ! それは中々の指示具だぞ!
    なんせモンスターへの指示だけでなく
    行くべき道を光で指し示す 2重の意味での指示具だからな!」
シェマ「道に迷うことがあれば 力になることでしょう
    早速装備してみるといい」
ナイジ「はい! ええと・・・ ちょっと失礼して・・・」

・・・

弱そう.jpeg

ナイジ「ど どうかな?」
ランナ「弱そう」
ミリーア「ナイジはんより鎧と剣の方が強そうやわ」
ナイジ「ぐっ・・・!」
ボバン「ま まぁまぁ・・・」

シェマ「コホン・・・
    物資面だけでなく 今島にいる最高のメンバーで
    ムー討伐のチームを募っているところです」
ロンガ「今オレ達が出来ることをやる!
    そのことに 悪いことなんて何もない!
    オレ達はトーチカに行けないが
    何かを託すことはできる!!」

ボバン「頼んだよ!」
ツェーテ「未来のために」
アトリ「今という時を」

ガラカラ「いつでも見守ってるよ!」
クワージィ「少しでも力になれたらいいのぉ」
ミリーア「ウチの信用にもかかわるんやで!」
モーディ「な・・・ なのね!」

ランナ「必ず 帰ってきなさいよ
    でないと・・・ メシ抜きだから!」
ナイジ「みんな・・・ ありがとう ありがとう・・・」

モルグ「はいはい 茶番はそこまでですよー!!!」
ざわっ・・・
ナイジ「お おっさん!
    しばらく見なかったから安心してたのに・・・」

モルグ「やかましい! 大きなお世話じゃー!!」
ミリーア「茶番とはえらい言い様でんな モルグはん」

モルグ「だってそうじゃないかー!
    トーチカだよ! 大海嘯を経て より危険になってる!
    そこにいるムーだって今までのどんなムーより強い!
    勝てるという確証もない! ウル長老だって夢を見てない!
    違いますか皆さん!」

ナイジ「・・・そんなの やってみなきゃ分からないだろ!」
モルグ「私には分かるー 100回やって 100回負けるー」
ガラカラ「おとぎ話にでてくるセリフだね・・・」

モルグ「本当は皆 自分が危険な目に遭わずに
    ナイジ達だけを送り出そうとしてるだけなんじゃないのか
    本当は皆勝ち目がないと 分かってるんじゃないのか」
一同「・・・」

モルグ「それなのに 笑顔で背中を押すのは
    残酷すぎるんじゃないかな 私は反対だね」
ランナ「さっきから黙って聞いてたらぁぁ・・・」

ナイジ「それでも・・・」
ランナ「!」
モルグ「なんじゃらホイ」
ナイジ「それでもオレは行く!
    出来ることがあるとすれば それしかないんだ!」
ランナ「ナイジ・・・」

モルグ「・・・いいだろう そこまで言うというのなら
    トーチカへ行きたいというのであれば・・・
    それなりの力を示してもらおうか・・・」
ナイジ「・・・なんだと・・・」

モルグ「私を倒してから行くことだな・・・」

経験値1.jpeg

ナイジ「悪いなおっさん オレはもう決めたんだ」
ランナ「ナイジ・・・ この生ゴミはああいったけど
    私たち・・・」
ナイジ「分かってる 言わないでくれよ」

ナイジ「いつでも一緒だ」
ランナ「くさっ・・・」
ナイジ「・・・」

シェマ「皆さん このことはウル長老にはくれぐれも内密に・・・」
ロンガ「よーし!! 準備ができるまで全力でバックアップだ!」

一同「おー!!」

第19話「月のかけら」 [MFL~STORY~]

~前回までのあらすじ~
いざ煌きの塔へ

~シディララマ周辺海域~

デーボ「よし 到着だ! こっから西へ進めばパドーラだぞ」
ナイジ「ありがとうございます!デーボさん!」

ベル「パドーラからのアムルヤータへのルートは任せて
   大海嘯以前にも何度か 足を運んだから
   地形が変わってなければ だけど・・・」
カルダオ「さすがはベルさん! 頼りになるなぁ!」
マイヤ「まぁ 月読のホロスコープもあるわ 道に迷うことはないでしょう」
レアル「・・・ 急ぎましょう」

デーボ「おう! 待ってるからな! 何があっても
    必ず帰ってこいよ!」
ナイジ「はい! 行きましょう!」

・・・

~パドーラ空洞入り口~

パドーラ空洞.jpeg

カルダオ「ッヘェー!こぉんなトコがあるんだなぁー!」
ナイジ「大海嘯の後でも ちゃんと形を残してるんですね」
マイヤ「元々ここは長年の地殻変動による侵食の中で
    水に溶けにくい地層だけが残って出来た空洞よ
    海水が流れ込んだ位じゃ崩れ去ったりはしないわ」

カルダオ「ホントだ ところどころ滝があるな」
マイヤ「アレは流砂よ この空洞を形作る要因のひとつね」
ナイジ「(オレの親父も ここで採掘してたのか・・・)」
ベル「・・・」

・・・

ベル「うん 大丈夫 特に崩壊したところもないし
   この道筋で行けばすぐ アムルヤータに着くね」
ティタン「ゴー!」
カルダオ「ん? マイヤさん アレは何ですか?」
マイヤ「不思議花よ 何か核となる物体に 泥やミネラルが体積して
    そこに寄生するように咲く花 まぁ 他じゃ珍しい花ね
    壊せば中に何か入ってるかもよ」
ナイジ「花か・・・」
レアル「どうかしましたか?」

ナイジ「いや ここ最近 花と聞くと 嫌な思い出しかなくて・・・」
レアル「?」

カルダオ「うおおおおおお!!!」
ナイジ「なんですか!」
カルダオ「何も入ってなかった・・・」
ナイジ「・・・」

・・・

~アムルヤータ氷河~

アムルヤータ氷河.jpeg

カルダオ「ささささ 寒い!!!」
ナイジ「寒いぃぃぃぃ!!!」
ベル「うーん 相変わらず 厳しいところ」
マイヤ「分かりきってたことじゃない」
レアル「マイヤさん 煌石の反応は?」

マイヤ「ええと ・・・ このまままっすぐ進めばいいわ
    反応も幾分強くなってるけど・・・」
ナイジ「え このまま まっすぐって言っても・・・」
カルダオ「見渡す限り氷の世界で・・・」
ベル「塔 見当たらないね」

マイヤ「なによ! 私の発明が間違ってるっていうの!?
    進んで見なきゃわからないでしょ!」
ナイジ「いえっ そ そういうわけでは・・・」
レアル「ま まぁまぁ とにかく今は信じるしかありませんよ
    さぁ 行きましょう」

・・・

ラーネイル「・・・スンッ」
カルダオ「ん? どうした?ラーネイル」
ラーネイル「チッ・・・」
カルダオ「なに 血のニオイがする!?」

ナイジ「・・・前から思ってたんですけど・・・
    カルダオさんってモンスターと話せるんですか?」
カルダオ「え? まぁー トレハンだし?
     っとそんなことより 物騒な気配がするじぇ」
ナイジ「トレハンだからなのか・・・」

ベル「このあたり 大海嘯以前も ムセカレクラスとか
   強いモンスター いたから 気をつけてね」
ナイジ「ん あれは・・・」ダッ
カルダオ「お おいどうしたんだよ」

ナイジ「! おぉーーい! 大変だー!」

カルダオ「ん アレはなんだ ノザラシか?」
レアル「いえ アレは・・・」

傷ついた海獣.jpeg

海獣「・・・キュン」

ナイジ「こいつなんだけど ひどいケガなんだ」
マイヤ「・・・ アナタ それがなんだか分かってるの?」
ナイジ「え・・・」

レアル「海獣の子供ですね 白いのはなかなか見かけませんが・・・
    近くに群れがあるかも・・・」
マイヤ「はぁー 海獣はね 仲間意識が強いの
    仲間を傷つけられたと勘違いして 私達が襲われたりしたら
    たまったもんじゃないわ 早く進むわよ」
ナイジ「でも ケガしてるし・・・」

マイヤ「あのね そいつを狩って食べる生き物だっているんだから
    自然の営みにむやみに手を加えると 痛い目みるわよ」
ナイジ「でも・・・ でも オレ・・・」
マイヤ「あ コラ!」

海獣「・・・きゅ キュー!」
ナイジ「ほら 大丈夫だって 傷みせて 薬だから」

マイヤ「ちょっと! それ上級回復薬じゃない!
    それに仲間を呼んだらどうするつもり!?
    あいつら陸の上でも・・・っ! ちょっと!」
ベル「ナイジだからこそ 見捨てられないのよ
   好きにさせてあげて」
マイヤ「こ 後悔しても知らないわよ!」

ナイジ「よし! まぁこれで大丈夫だろ!」
海獣「・・・クキュンッ」バシッ!
ナイジ「うおっ! いってぇ・・・ お 恩知らずなやつだな!」
マイヤ「だから言ったじゃない・・・」

海獣「キュオン」のそのそ
バシャァ・・・

カルダオ「あーあ 海に帰っちまったな 食えそうだったのに」
レアル「血さえ止まれば 水の中のほうが安全でしょう」
ナイジ「まぁ 元気になったみたいでよかったよ」
マイヤ「もういいでしょ! さっさと進むわよ!」

・・・

ナイジ「だ だいぶ 歩きましたね・・・」
カルダオ「煌きの塔やーい まだですかー・・・」
ベル「反応 強くなってるのかな」
マイヤ「当たり前でしょ! さっきよりずっと強くなってるわよ!
    ほら!!ぁぁっって・・・ え!?」

ナイジ「な なんですかその え!? は!」
マイヤ「・・・通り過ぎてる・・・」
ナイジ「な・・・」
カルダオ「え!?」
ナイジ「・・・」

カルダオ「でも 塔なんて見当たりませんよぉ!」
マイヤ「・・・ そ そんなハズは・・・」
ナイジ「あ 空を飛んでるとか ほら 昔話の浮遊城みたいに」
カルダオ「マジか! すっげぇなぁ!」
レアル「それだと打つ手がないじゃないですか・・・」

ベル「そのホロスコープ 縦にしてみたら 答え出るかも」
マイヤ「そ そうね ・・・」

ナイジ「ど どう ですか」
マイヤ「・・・ この下に反応が・・・」
カルダオ「ということは・・・」
ベル「氷河に埋もれてる ってことかな」

ナイジ「こ この下に煌きの塔が・・・」
マイヤ「氷河の運動を考えれば氷の下に何があっても不思議ではないけど
    まさか 伝説に残るほどの塔が埋もれているなんて・・・」
カルダオ「あ あ! でも大発見! 塔が埋まってるなら
     1階降りれば最上階なんじゃないかな!」
ベル「どうする? ティタンなら氷を掘れるけど」
ティタン「ンゴー」
ナイジ「あ チモックも氷溶かすなら!」
チモック「キー!」
カルダオ「・・・オイラの大発見は・・・」

マイヤ「ホロスコープの反応を見るに 煌石はこの真下ね
    周辺を掘削してくれるかしら」

・・・

ナイジ「チモック ヒートラインで溶かして行ってくれ」
チモック「キュー」ボボボ・・・
シュウウウ・・・

ベル「ティタン どう?」
ティタン「ゴーゴー」
ガリゴリガリゴリ・・・

チモック「キュ! キー!キー!」ひゅんひゅん
ナイジ「お! 何か見えた! じゃあここを溶かしてくれ!」

ジュウウウウゥウウ・・・

ナイジ「おぉ~! みんなー! あったぞー!」
カルダオ「うおっ! ホントだ! こりゃたしかに建造物だ!」
ナイジ「お手柄だぞー! チモック!」
チモック「キューン!」

マイヤ「でもこれ以上溶かして掘り下げるのは危険ね
    かといって入り口がなければ・・・」

ドゴオオオオン!!!!

マイヤ「・・・」
ベル「あら こんなところに入り口が」
ティタン「ゴーゴー!」
ナイジ「いま明らかに穴あけましたよね・・・」
カルダオ「いや 見なかったことにしよう」
マイヤ「世紀の発見を・・・」
レアル「ま まぁ 何事にも犠牲はつき物ということで・・・」

~塔内部~

ナイジ「中はそれほど氷が入り込んでないみたいですね」
マイヤ「・・・ ホロスコープの反応がどんどん強くなる・・・
    近いわね・・・」
カルダオ「なんというか 神秘的なところだな・・・」
レアル「・・・」
サバキ「ブルルッ」

ナイジ「うっわぁ・・・ でっかい氷だな・・・」
カルダオ「お! こっちには石碑があるぞ! なになに!
     古代文字だから読めないな! ははは!」
マイヤ「最近のトレジャーハンターは古代文字も読めないの?
    情けないわね・・・」

ベル「・・・そんなことより もっとすごいもの ある かな」
ティタン「ごぉーーーー・・・」

ナイジ「え? ・・・」
カルダオ「こっ!・・・こいつぁ・・・ マジかよ・・・!!!」

ヒノトリ.jpeg

ナイジ「ヒノ・・・トリ・・・!!?」
カルダオ「すっ すげぇ すげぇよ・・・ はは」

ナイジ「マイヤさん! ヒノトリですよ!
    伝説は本当だったんですよ! マイヤさん?」
マイヤ「・・・ はぁ」
ナイジ「・・・ そ そのため息は何なんですか・・・」

マイヤ「この石碑に書かれていることを聞けば
    あなた達が今見つけた希望が なかったことになるわ」
カルダオ「え・・・」

ベル「聞かせて もらえるかな」
マイヤ「・・・
    ムーと戦ったヒノトリを
    命司る煌石と共に
    ここレマノスの地に
    永遠に封印するものなり」
ナイジ「・・・え じゃ じゃあ・・・」

マイヤ「結論から言うと ヒノトリは復活することはない
    私達の手で ムーを倒さなければならないということ」
ナイジ「・・・そ そんな・・・ 折角見つけたのに!」
マイヤ「それに この煌石の記述 向かいにあるその石がそれみたいね」

ベル「でも これ・・・ まるで力を失った月の石みたいな・・・」
ナイジ「あ あー!!!」
カルダオ「こ 今度はなんだってばよぉ!」

ナイジ「これ!!!これ アルレム長老の杖です!!レアルさん!!」
レアル「間違いありません それは長老の・・・」

マイヤ「こっちにも書かれてるわね 汚い字で
    あの日 月の石を打ち鳴らしたと・・・」
ナイジ「じゃあ やっぱり長老は煌きの塔へ来てたんだ!
    そして月の石を打ち鳴らして! 里に近づいた滅石を遠のけた!
    オレたちを助けてくれてたんだ!」

カルダオ「でも おかしくないか おじいちゃんなんだろ?
     杖だけ残してさ どっかに行っちゃうなんて」
ベル「長老 別に杖なくてもシャキシャキ歩けるんだけど・・・
   たしかに不自然・・・」
マイヤ「この書置きも後半が削り取られてるわ
    自分で消したか あるいは・・・」
レアル「・・・いずれにせよ ここにアルレム長老は・・・」

ゴゴゴ・・・

ナイジ「! い いま揺れませんでした!?」
カルダオ「ゆ ゆれたゆれた!」
ベル「わ 私のせい かな・・・?」
レアル「いえ! 下の方です! 基礎が崩れて行ってるのかも・・・!」
マイヤ「名残惜しいところはあるけど・・・
    安全のため 今は外に出たほうがよさそうね・・・!」

ゴゴゴゴッ ゴォン・・・!

ナイジ「すぐ下まで来てるカンジが・・・!」
カルダオ「だっ 脱出するべ!!」
ベル「ティタン!みんなをかついで! 早く!」
ティタン「ゴッゴー!」

ゴゴゴォォォン・・・

~氷河~

ナイジ「はぁっ はぁっ!!」
カルダオ「みんな無事か!?」
ベル「・・・ええ」
レアル「なんとか・・・!」
サバキ「ブルル」

・・・

ベル「塔 クレバスに飲まれちゃったね」
カルダオ「っくぅー 下の方に何かあるか調べたかったけどなぁ」
マイヤ「まぁ 分かってよかったじゃない
    ヒノトリにも煌石にも頼れないと」
    これで踏ん切りもついたでしょう」
ベル「(本当はつらいのに 強がっちゃって・・・)」
レアル「・・・そう ですね・・・」
ナイジ「・・・オレ達の手で・・・」

ナイジ「オレ達だけで戦わなきゃいけないんだ・・・」

カルダオ「まぁ ムーさんのことはよく知らないけど
     とりあえずユタトラに帰りたいな オイラ ズズッ・・・」

つづく

第18話「絆」 [MFL~STORY~]

~前回までのあらすじ~

シェマ死亡

死亡

死亡

~ファーム~

マイヤ「おーっほっほっほっほっほ!!!
    ついに出来たわ!!大発明品が!!!
    私は天才よーーー!!!」
フラセール「なんだいなんだい どうしたっていうんだい」
ティッキ「なになにー!」

マイヤ「おーっほっほっほ!
    数々の遺跡やイダル アルレム長老の日記を参考にし
    完成した大発明品!! コレよ!
    名づけて月読のホロスコープ!!!」
月読のホロスコープ.jpeg
リトバ「走り回ってますよ・・・」
ナイジ「よっぽどうれしいんだな」

マイヤ「いい!? 見てなさい! ここにこうして
    イダルをはめ込むと・・・」

エルナ「あ! 盤上のマークが光りました!」
マイヤ「今入れたイダルは寒石にだけ反応するイダルよ
    そしてホロスコープの光に合わせて地図を照らし合わせると
    南の方角にあるこの島 つまりバイジャバを指しているわ!
    そう! これは地上に落ちた月の欠片の位置を指し示す!
    まさに世紀の大発明品よ!!!」
ティッキ「えー! すごいすごい!」

フラセール「じゃあ コレを使えば・・・」
エルナ「巨大な滅石・・・ムーの居場所が分かる!」
マイヤ「おーっほっほっほ!大いにホメるがいいわ!
    奉るがいいわー! おーっほっほっほ!」

ナイジ「へー!すげー! 面白そー! オレが拾ったイダルも入れてみよっと」

カチッ

マイヤ「勝手に変なもの入れるんじゃないわよ!!!!」

制裁.jpeg

ボギャアアアア・・・

ナイジ「おぼふ」

ドサッ

ティッキ「ひゃー!ナイジの顔がヘルツピーマンみたいになってる!」
フラセール「こりゃ死んだな・・・」

マイヤ「これは地上に落ちた月の石にだけ反応するイダル専用なのよ!
    壊れたらどうするつもりなの!!ったく・・・ あら?」
リトバ「どうしたんですか?」

マイヤ「こ これは まさか・・・ フラセールの坊や!」
フラセール「ん なんだい マイヤ女史」
マイヤ「今すぐ神殿で使ってる煌石を持ってきなさい!ありったけ!早く!」
フラセール「え お おう・・・ ちょっと待っててくれよ」

リトバ「な なんなんですか 一体・・・」
ナイジ「・・・・・・」

・・・

マイヤ「・・・間違いないわ・・・ これは・・・!!!」
フラセール「ど どうしたっていうんだい そんな驚いた顔して・・・」

マイヤ「今そこのバカがつっこんだ変な模様の・・・レンズ かしら
    確かに煌石に反応するイダルで出来ているわ・・・!」
リトバ「それが どうかしたんですか?」

マイヤ「いい!? アルレム長老が行方不明になる前
    一体なんと言い残したか・・・
    そのときシディララマにいたあなたなら分かるでしょ!」
リトバ「え・・・たしか 煌きの塔に行く・・・」

エルナ「あ・・・ ああああ!!」
マイヤ「私はその時シディララマにいなかったけれど
    日記を読んでいてそのことは知っていたわ
    そして煌石と反応するイダルを使って
    アルレム長老は煌きの塔へ行ったのよ!」

エルナ「ということは・・・!」
マイヤ「そう! コレを使えば 煌きの塔の場所が分かるということよ!!」

一同「な・・・」

なんだってー!!.jpeg

リトバ「って前もやりましたよね これ」
フラセール「ううむ なんというか・・・
      とてもオレたちと関係が深いような・・・」
ティッキ「そ そんなことよりそれってすごいことじゃん!」
ナイジ「アゴが・・・」

マイヤ「でもいまいち反応が弱いわね・・・ まぁいいわ・・・
    ・・・地図と照らし合わせて 指し示される場所は・・・」
エルナ「・・・あ ここ・・・アムルヤータ氷河・・・!?」

一同「な・・・」

マイヤ「もうそれはいいわよ!」

一同「・・・」

マイヤ「でも考えてみれば当然かもしれないわ
    1000年前 ムーとヒノトリの最終決戦の場が
    この氷河だったのだから・・・
    その近辺に煌きの塔があっても不思議ではない・・・」
ナイジ「じゃ じゃあ アムルヤータ氷河にいけば・・・
    アルレム長老の手がかりが・・・!」
エルナ「でも あの辺に塔なんてなかったわ・・・」
マイヤ「それは そうかもしれないわ けれど確かにそこに反応がある!」

エルナ「・・・塔じゃないとしたら・・・
    同じ銀の月から生まれた・・・
    もしかすると・・・ ヒノトリ・・・!?」

一同「な・・・」

マイヤ「なんですってえええええええ!!!!?」

一同「・・・」

マイヤ「コホン ・・・これは誤算ね・・・ まぁいいわ
    今は巨大な滅石の位置を確認するほうが先ね・・・」
リトバ「そんな! アルレム長老の足取りがつかめるかもしれないのに!」
ティッキ「もしヒノトリを復活できればすっごく心強いよ!」

マイヤ「どちらを優先させるか・・・
    ・・・それは このイダルをはめ込んだ後 決めることよ・・・」

カチッ

マイヤ「・・・滅石の反応・・・ そして地図を照らし合わせる・・・」
ナイジ「・・・」

マイヤ「・・・そして示された場所で 一番強い反応を示すのは ・・・ここね」
フラセール「こ この場所は・・・!!」

フラセール「トーチカじゃないか!」
マイヤ「あら 坊やは知ってたのね」
フラセール「大海嘯以前に 一度だけ師匠と行ったことがある
      けど 見ての通り ここから随分離れてるし
      とても島にある船でたどり着けるような場所じゃ・・・」

マイヤ「・・・でも この程度の反応なら大丈夫そうね」
リトバ「あれっ ひょっとして・・・心配損?」
マイヤ「ここが ナイジたちがムーを倒した場所・・・
    瘴気をまとう孤島よ それよりも反応が強いのは
    ここ トーチカだけ・・・ しかもせいぜい2倍程度よ」
リトバ「・・・え めちゃくちゃヤバいんじゃないですか? それ・・・」

エルナ「じゃあ・・・ すぐにムーが完全に復活するってことも・・・!」
マイヤ「断言するわ ありえないとね」
リトバ「じゃ じゃあじゃあ!
    先にアルレム長老を探しにいけるってことですね!」

エルナ「早速このことを長老達に知らせましょう!」

・・・

~タウン~

ロンガ「なに!?煌きの塔の場所が分かったかもしれない!?」
シェマ「そ それは本当ですか!!
    アルレム長老の足取りがつかめるかもしれません!」

エルナ「あれ・・・ え あ はい! そうですね!」

シェマ「なんですか・・・ 私がここにいてはいけないのですか・・・」
ウル「そんなことよりその話は本当なのかえ」

エルナ「うん 本当よ 婆様 仮に煌きの塔でなかったとしても
    世界中で一番強い煌石の反応があったわ」
シェマ「煌石・・・ と いうことは
    ヒノトリのヒントにもなるかもしれませんね」
ロンガ「アルレムのジジイめ! ようやく尻尾をつかんだぞ!」

ウル「して・・・ その場所というのは・・・」

エルナ「アムルヤータ氷河よ」

シェマ「なんと! シディララマからそう離れた場所ではないではないですか!」
ロンガ「だがあの辺は大海嘯の影響をモロに受けた場所だ
    それに流氷なんて船乗りにとっちゃおっかないものもある
    海から行くのは無理ってもんじゃないのか」

ナイジ「海から行くのがムリでも たしか・・・
    パドーラ空洞からアムルヤータ氷河に通じてた気が・・・」
シェマ「うむ しかしあそこも大海嘯のとき海水が流入したかもしれん・・・
    だが可能性があるとしたら・・・ ・・・
    北側の海からパドーラ空洞を経由して氷河に入るのが現実的でしょう」

エルナ「じゃ じゃあ! そのルートでいけば
    アムルヤータ氷河にたどり着けるのね!」

ウル「じゃ じゃがしかし あのあたりは・・・」
シェマ「ゴホン」
ロンガ「ガッハッハ」

ウル「・・・ うぅ 分かっとるわい・・・
   ワシも アルレムの爺さんのことは気になるからの・・・
   これについては止めはせんよ・・・」
シェマ「で では!アルレム長老調査隊を至急氷河へ!
    隊長は私が・・・」
ロンガ「でしゃばるな若造」
ウル「立場を考えぇ!!」
シェマ「・・・」

エルナ「大丈夫よ シェマさん!
    ナイジがこの島最高のメンバーを集めてくれるわ!
    ね! ナイジ!」
ナイジ「え あ お おうとも!!」

ウル「そうか して エルナや それだけではなかろう」
エルナ「そ そうね あとひとつ 長老達に言わなきゃいけないことが・・・」
シェマ「まだなにかあるのですか!今度はどんな朗報でしょう!
    いやぁ わくわくしますね!」
ロンガ「・・・ホメたとたんこれだ・・・」

・・・

シェマ「なんと!!災厄の危機はまだ去ってはいなかったとは・・・!!」
ロンガ「なんてこった・・・ まだムーのヤツがいやがったとはな・・・」

エルナ「まだそうと決まったわけじゃないけど・・・
    反応の強さを見るにすぐにここへ飛んでくるわけじゃないって・・・」
ナイジ「その場所がトーチカっていう すっげぇ遠い場所で・・・」

ロンガ「つまりー こういうことか ムーを倒しに行くから
    トーチカまで船を出したい と」
ウル「それはならんっっ!!!」

ウル「ワシは見たのじゃ・・・ トーチカに行った船が帰ってこない夢を・・・」
シェマ「な なんですって!」

エルナ「で でも デーボさんの船なら どんなに遠い場所でも
    時間をかけさえすればたどり着ける・・・
    それに 婆様の夢は遠い未来のことまではわからないはず・・・」
ウル「ならんといったらならん!絶対に 許さん!」

シェマ「ゴホン! 各地方の代表の間で問題が発生した場合は・・・」
ウル「ギロッ!!!」
シェマ「・・・なんでもありません」
ロンガ「ごめんなさい」
ナイジ「(男って弱い生き物だなぁ・・・)」

ウル「とにかく トーチカへの遠征許可だけはだせん!
   先にアムルヤータの調査を済ませてから・・・
   せめて ワシが夢を見るまで・・・ 待ってはもらえぬか・・・」
エルナ「婆様・・・」

ナイジ「まぁ でも これからすべきことは決まったってコトで!」

シェマ「そうですね アルレム長老の手がかりがつかめれば・・・
    ナイジ 頼みましたよ」
ナイジ「・・・ はい!」

・・・

~翌日・船着場~

マイヤ「揃ったようね」
ナイジ「今日からみなさん! よろしくお願いします!」
カルダオ「オイラ氷河なんて初めてだよー!ははは!」
ベル「カルダオさん そのシャツだけだと 死にますよ」

カルダオ「は・・・」
ヒューリ「まぁ 船に備え付けてある寒冷地用のコートを使えばいいさ」
カルダオ「うおー! ヒューリさん! なんとお優しい!
     オイラ 感激!」チュバッ チュバッ
ヒューリ「うぅ 寒気がするな・・・ あんたたちも気をつけなよ」
ナイジ「ははは・・・」

レアル「・・・煌きの塔・・・そこで アルレム長老が・・・」
ナイジ「レアルさん ついに ですね・・・」
レアル「ナイジくん・・・
    ボクとしても はっきりと知っておきたいですからね・・・」
ナイジ「・・・がんばりましょう!」

デーボ「そんじゃあ出航するが
    パドーラ空洞の北側に船をつける方向でいいんだな」
ベル「ええ お願いします」
デーボ「まぁ あのあたりは流氷があるからレシオネでもつらいのは確かだが
    なんだか気を使ってもらったみたいで悪ぃな」ガシガシ
ベル「ふふ なんだかしおらしくて デーボさんらしくないですね」

デーボ「っかぁー! そういわれると・・・! まぁ!
    目的地までは必ず送り届ける! そして必ず戻ってくる!
    それが海の男 デーボ様よ!!」
ニェポ「あ!とーちゃん デレデレして! いっけないんだー!」
ヒューリ「おいニェポ あんまり言ってやるな」

ニェポ「はーい・・・ じゃ みんな! とーちゃんをたのんだよ!」
カルダオ「モチのロンですとも!
     では! 行ってきます!ヒューリさンーマッ!」チュバッ
ヒューリ「うううっ・・・」ぶるぶる

デーボ「いよーし! 出航だー!!!」

第17話「花は咲いている」 [MFL~STORY~]

~前回までのあらすじ~

アトロポスさん

~シディララマ第一階層広場~

カチャリ・・・ ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

マイヤ「よし 開いたわ さぁ ルセタラへ向かうわよ」

カルダオ「あれ? シェマ長老は?」
ナイジ「いや もう帰ってもらった
    たしかに・・・アトロポスさんがいたら心強いけど・・・」
レアル「モルグさんとは別ベクトルでイライラしますからね」
カルダオ「(シェマさん今頃泣いてるんじゃないかな・・・)」

~ルセタラ丘陵~

ナイジ「うわああ・・・ なつかしい・・・
    あぁ この神殿跡地 小さい頃よく遊んだなぁ・・・」
レアル「でも 棲んでいるモンスターは様変わりしているようです
    気をつけていきましょう」
マイヤ「いちいち相手する必要も無いわ まずは最上流の水門まで
    一気に進むわよ」

・・・

カルダオ「ん おい! あの小川に誰か倒れてるぞ!!!」
ナイジ「なんだって!? って アレは・・・」

モルグ「・・・」

ナイジ「・・・おっさんだ・・・」
カルダオ「ホントだ! 本当に生きてた! すげぇ!」
レアル「でも どこか上の空ですね・・・」

ナイジ「よう おっさん 無事でよかったな」
モルグ「・・・ あ ナイジさん どうも」
ナイジ「・・・ おっさん?」

モルグ「・・・いい 天気ですね・・・」
ナイジ「いや 瘴気ですごく曇ってるんだが・・・」

カルダオ「すげぇじゃねぇかおっさん! どうやって助かったんだ!?」
モルグ「・・・たこさん」
カルダオ「・・・た たこ?」

モルグ「たこさんがたすけてくれたのです」
ナイジ「・・・だめだ・・・どこかで強く頭を打ったらしい・・・」
レアル「まぁ ここに置いとくのもなんですし 連れて行きましょう・・・」
モルグ「お散歩ですか いいですね」

カルダオ「やっぱシディララマこええええええええええええ!!!!」

・・・

~ルセタラ丘陵・水門~

マイヤ「さぁ ここまでくればもう少しよ 戦闘の準備をしなさい」
ナイジ「へぇ 水門は壊れてないみたいだ ん? なにかいる」

ペトラバシレ.jpeg

マイヤ「あら・・・ 随分と物騒なモンスターが住み着いてるわね・・・」
カルダオ「あのマムーはなんてモンスターなんだ?」
レアル「ペトラバシレ・・・」

カルダオ「ほとばしる屁?」
モルグ「女性の前ですよ」
カルダオ「え あ あぁ・・・ ごめんなさい・・・」
ナイジ「キレイなおっさんだな・・・」

マイヤ「ノラモンというよりは この土地のヌシというべきかしら
    その中でもペトラバシレ・・・ あのマムー種は
    何百年も昔からいくつもの伝承とともに生きてきた・・・
    全盛期のアルレム長老でも勝てるかどうか分からないようなヤツよ」
ナイジ「あ 知ってる 1晩あれば村ひとつなくなっちゃうとか・・・」
カルダオ「お おっかねぇな・・・ 勝てる気がしねぇよ・・・」
マイヤ「まぁ 怒らせなければ襲ってこないわ さ 先に進むわよ」

・・・

~ルセタラ丘陵・渓谷上部~

レアル「急におどろおどろしくなりましたね・・・」
カルダオ「なんか そこらへん中に骨が落ちてるし・・・」
マイヤ「そして あいつがここのボスよ」
ナイジ「げっ・・・ あ あれは・・・ モックぅ・・・!!!?」

トルルモック「ぐおっ ぐおっ ぐおっ・・・」

マイヤ「トルルモック・・・
    長老アンテロにしこたまボコボコにされたのに
    まだ懲りてないのね」
レアル「と いうことは 雷属性のモンスターを薦められたのは・・・」
カルダオ「アイツと戦うことを見越してのことってワケか!」
マイヤ「ふふん そういうことよ」

チモック「きゅー・・・」
ナイジ「チモック・・・ 大丈夫だ 今は 仲間だっている・・・!」

マイヤ「・・・でも 妙に落ち着いてるわね・・・
    いわば絶体絶命のピンチだってのに・・・」

トルルモック「グォオオオッゴッゴゴゴ!!」

トルルモック.jpeg

ボコッ ボコッ・・・ズボッ・・・

メズハン「コカカカカ」
ゴズハン「カタカタカタ・・・」

カルダオ「うえええ!!!骨だ!!」
マイヤ「なるほど・・・ 手下がいるってわけね・・・
    でも 残念でしたわね」
レアル「そうですね」

ナイジ「え? ・・・・・・あ そうか」
チモック「キュ?」

トルルモック「グオッホッホッホ!!!」
メズハン「ギー!」
ゴズハン「ごきゃきゃ!」

ナイジ「チモック! ソウルファイア!!」
チモック「きゅっ!!」

バオォン

メズハン「ウギャーーン」ボオオオオ!!!
ゴズハン「カソオオオオオ!!!」ボャーーー!!!

トルルモック「ごっぐわっ!!!?」

ナイジ「いやぁ! アンデッド系は火に弱い!
    エルナさんに習ったとおりだったよ!」
チモック「きゅー!!」

トルルモック「ぐ ぐわー!!!」

カルダオ「じゃ! アイツにはしばらく眠っててもらうか!」
ラーネイル「グルルルル・・・」
レアル「そうですね サバキ!」
サバキ「モヒンッ」

トルルモック「グォ・・・ グォオオオ・・・」

2人「雷撃!!!」

トルルモック「イヤアアアアアアア!!!」

ズバシィィィィーッ・・・・・・

モルグ「ああ キレイですねぇ・・・」

・・・

トルルモック「・・・」プスプス・・・

カルダオ「そっちあったか?」
レアル「いえ みつかりません」
ナイジ「マイヤさん ほんとにここで合ってるんですか?」
マイヤ「なっ! 間違いないわよ!
    逆に言えばここでしか取れないっていうくらいよ!
    もっと血眼になって探しなさいよ!!」
モルグ「私もお手伝いします」

~1時間後~

カルダオ「・・・ないな・・・」
ナイジ「ないですね・・・ 骨は100本くらいあるのに・・・」
レアル「諦めてはいけません! まだ崖の上とか・・・!」
マイヤ「そうよ! もしこのまま見つからなかったら 
    私がバカみたいじゃない! そんなの許さないわ!」
モルグ「力を合わせ なんとしても見つけましょう」

~さらに1時間後~

カルダオ「・・・」
レアル「なんとかいってくださいよ・・・」
ナイジ「マイヤさん・・・ ここ ないですよ・・・」
マイヤ「そ そんな・・・ 咲く時期も間違ってないハズ・・・」
モルグ「やはり 瘴気の影響もあるのでしょうか・・・」

カルダオ「・・・しかたねぇ 今回は出直すしかねぇべ!」
ナイジ「・・・そんな!!」
レアル「・・・このままここに残るのも危険ですね・・・
    一度ユタトラへ帰り 対策を考えるのも手でしょう・・・」
マイヤ「く 悔しいけれどそれが正解かもね・・・ 屈辱・・・!」

~ルセタラ丘陵・水門~

ナイジ「・・・ウル長老・・・」
マイヤ「屈辱 屈辱 屈辱」ブツブツ・・・
レアル「この花は・・・ 違いますね・・・ ・・・」
カルダオ「はぁ~ あのペトラなんとかってヤツ のんきにお昼寝だぜー
     こっちは探し物が見つからなくて大変だってのによー・・・」
ナイジ「仕方ないですよ あいつも悪気があるわけじゃ・・・」

ペトラバシレ「ぱぉ・・・ ぐぅ・・・」

ナイジ「んん?」

ミリュレ花.jpeg

ナイジ「ミリュレ花だ!!!」
カルダオ「なんだって!!!?」
ナイジ「ほら! あの!ペトラバシレの左のキバ!!」
マイヤ「・・・!あ あれは確かにミリュレ花よ!
    ほらみなさい! 私の言った通り!この辺に生えるのよ!!」
レアル「でも・・・ 考えうる最悪の位置に生えてますね・・・」

ペトラバシレ「ぷくぷく・・・」

ナイジ「でも 取りに行くしかない!!」
カルダオ「でも ・・・だれが?」
マイヤ「私はイヤよ! あんなのムリに決まってるじゃない!」
レアル「せめて・・・ 引き抜くことができれば・・・」

一同「・・・」
モルグ「・・・」

一同「・・・」
モルグ「私ですか」

・・・

モルグ「・・・」そろそろ・・・

ナイジ「本当に大丈夫かな・・・」
カルダオ「なんか 今の状態のおっさんを行かすのは
     気が引けるけどな・・・」
マイヤ「失敗したときのデメリットが少ない順に行くのは当然よ・・・」
レアル「モルグさん アナタのことは忘れません・・・」

モルグ「・・・」そろそろ・・・
ペトラバシレ「んぴゅう・・・」

ナイジ「よし・・・ いけ・・・!」

モルグ「・・・」すっ・・・

プチ

ペトラバシレ「すうーーー こここ・・・」

ナイジ「よっしゃああああ・・・!」
カルダオ「まだ寝たままだ・・・ いけるぞおおお・・・」

モルグ「・・・・・・」ニコッ!

ナイジ「とれたのは分かったから
    手なんか振ってねぇでさっさと持って帰って来い・・・!!!」
マイヤ「なにやってんのよアイツはああああ・・・!!!」

モルグ「んぶえええええっくしょおおおおい!!!!」
ペトラバシレ「ぱおっっっ・・・!!!!」ビクンッ!!

ナイジ「ええええええええええええええ!!!!!!!???」
カルダオ「起きたああああああああ!!!!」

モルグ「うう ずびぃー 花粉症なのわすれてました」
ペトラバシレ「・・・」ゴゴゴゴゴゴ・・・

モルグ「あ・・・ どうも・・・」

ペトラバシレ「パアオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」ブォンッッ!!

メリッ・・・

モルグ「もるぐっ・・・」

ドゴひゅううううううん・・・

モルグ「ああああああああああああああああああああああ
    れええええええええええぇぇぇぇぇ・・・」

キラーン・・・

カルダオ「おっさんフッ飛んだあああああああああああ!!!!!」
ナイジ「それよりも花があああああああああああ!!!!!!!!」
マイヤ「飛ばされるなら花を手放して行きなさいよーーー!!!!」

レアル「おや? あれは・・・」

ひらひら・・・

カルダオ「あ」

ヒラヒラ・・・

マイヤ「あら」

ポト・・・

ナイジ「・・・あ ミリュレ花・・・」

一同「・・・」

ナイジ「やったあああああああああ!!!!」
カルダオ「ミリュレ花ゲットオオオオオオオ!!!」
レアル「やりました! やりましたよみなさーん!」
マイヤ「これで私の正しさが証明されるわー!!!」

ペトラバシレ「ばおおおおおおおおおお!!!!」

そりゃ怒るよ.jpeg

ナイジ「って!!! アイツのこと忘れてたああああああ!!!」
カルダオ「うわあああ!!! こっちにくるぞおおおお!!!」
レアル「に に・・・」
マイヤ「逃げるのよおおおおおおおおおおお!!!!!!!」

ぱおおおおおおおおぉぉぉん・・・
ぎゃあああぁああああ・・・

・・・

~シディララマ港~

デーボ「お! 帰ってきたみたいだな!! よう皆!ごくろ・・・」

ナイジ「はぁー はぁー・・・花・・・ とれ ましたよ・・・」
チモック「きゅー! きゅー!」
カルダオ「ぜー ぜー・・・ もう シディララマには こないぞ・・・」
ラーネイル「ケハァー! ケハァー!」
レアル「う・・・ 横腹が・・・ はー はー・・・」
サバキ「ぶろろっ・・・」
マイヤ「ひぃーーー ひぃいい・・・ うううう・・・!」

デーボ「・・・な 何があったかは 聞かないほうがよさそうだな・・・」
レシオネ「きゅいん・・・」

???「・・・ぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああ」

バシャーン!!

デーボ「ん? なんだぁ? いま何か空から海に落ちてきたぞ!」

モルグ「ぶはあああああ!!!!」バサー!

ナイジ「お・・・おっさーーーん!!!」

モルグ「うぐおおおあああああああ!!!!
    きさまらああああああ!!!! ゆるさんじょおおおおおお!!!
    この私を捨て駒に使いおってぇえええええええ!!!!」
カルダオ「あ 汚いほうのおっさんに戻ってる・・・」
レアル「吹っ飛ばされたショックで・・・ かわいそうに・・・」
マイヤ「ああ もう面倒だから出発してくださいな」

デーボ「ん? お おう・・・ よーし! レシオネ!
    ユタトラへ帰るぞ!!」
レシオネ「きゅっひぃ!」ザパァー

モルグ「きええええええ!!! まてえええ!!
    またんかあーーーー!!!おえっぷ!」ザバザバ

シンム「ムッシュムッシュ♪」

・・・
~数日後~

ウル「・・・さて まずはありがとうと言っておこう・・・」
ナイジ「い いやぁよかったですね! 無事! その! 治って!」
ウル「うむ それもこれも ミリュレ花を持ち帰ってくれたおかげじゃ・・・」

ウル「じゃが あれはシディララマにしか咲かない
   これが何を意味するか 分かっておるの?」
シェマ「い いえいえ! あれはたまたまその辺に生えていたのですよ!」
エルナ「そ そうよ!たまたま生えてたのよ!ね!ナイジ!」
ナイジ「そう! 採集してたら 見覚えのある花があって!!!」

ウル「ワシの目は誤魔化せんぞ!! おぬしら!
   クナレヤに続きシディララマに船を出しおったな!!」
ナイジ「げっ! どうしてそのことを・・・!! あ しまった!」

ロンガ「いや・・・ その なんだ 酔ったデーボが全部話していった
    当日に・・・」
ナイジ「な゙・・・」

ウル「ナイジたちだけならともかく・・・シェマ!!!
   影武者などという姑息な手を使って 島を抜け出すとは・・・!!」
シェマ「う! バレていたとは・・・!!!」
ウル「バカにするでないわ! あんな肉の塊と見間違うほど
   ワシは衰えておらんわ!!!」

シュマ「・・・・・・」しくしく・・・
アトロボス「ぱくぱく」むしゃむしゃ
ナイジ「あんたたちは悪くねぇよ・・・ 悪いのはあの左のやつだ・・・」

ウル「ナイジ!おぬしはブリーダー失格じゃ!
   そしてシェマ!おぬしは・・・死刑じゃ!!!」
シェマ「ええ!? なにやら私の罰だけ妙に重い気がするのですが・・・!」
ナイジ「そ そんな・・・」

エルナ「婆様! そんな あんまりです! シェマさんはともかく・・・」
シェマ「うんうん ・・・え」

シェマ「は!そ そうだ! ・・・ゴホン!」

シェマ「地方の代表の間で揉め事が起こった場合・・・
    長老の多数決で決める・・・ そういう取り決めでしたね・・・」
ウル「む・・・ むぅ!」

シェマ「シディララマ長老代理の名において・・・
    ナイジら優秀なブリーダーについて
    クナレヤをはじめとする遠征地への出航を許可する!!」
ロンガ「がーっはっはっは!!!ガランカナン長老!!
    右に同じ!!オレも賛成だ!!」
エルナ「シェマさん・・・ロンガ長老!」

ロンガ「婆さん! これで決まったようだな!」
ウル「むぅ・・・! ワシも すこし熱くなり過ぎたようじゃ・・・
   分かった・・・ 認めよう・・・ じゃが・・・
   これからそういうことをするときは 一言でよい・・・
   ワシらに伝えておくれ・・・」
ナイジ「は・・・ はい!!」

シェマ「ふぅ これで一件落着 ですね!」
ロンガ「ガッハッハ! ちゃんと空気を読めるようになったじゃないか!」
ウル「じゃが まだ決めなければならぬことがひとつあるぞ」

シェマ「え!? ほかに何か問題が!?」
ウル「おぬしの死刑のことじゃよ・・・ シェマ・・・」
シェマ「え」
ロンガ「ガッハッハッハ! そうだったなぁ・・・
    オレもさすがにアレは出すぎたマネだと思うな!」
シェマ「え え」
ナイジ「腹くくれよー!シェマ長老ー!!」
シェマ「え え え」

シェマ「う! う!! うわああああああああああぁぁぁぁぁ・・・」

第16話「故郷に誰もいなくても」 [MFL~STORY~]

~前回までのあらすじ~

MFR~モンスターファーム調査班~

~タウン 集会所の一室~

ウル「う ごほっ ごほっ・・・ エルナか・・・」
エルナ「婆様!一体どうしたの!?」
シェマ「私の見るところ どうやらサパリャ風邪です」

エルナ「サパリャ風邪?」
ロンガ「シディララマの風土病だ 他人にうつったりこそしないものの
    体に水がたまってセキが止まらなくなる
    発熱も伴って体の抵抗力が落ちる病気だ」
シェマ「そう シディララマではごく一般的な病気です」
ナイジ「お オレもかかったことがある!」

エルナ「じゃ じゃあ治るのね! よかった!
    ・・・ど どうしたの みんな・・・」
ナイジ「いや その・・・」
シェマ「・・・確かに 特効薬があります それを服用し安静にすれば
    ほんの数日で快方に向かいますが・・・」

エルナ「でも・・・?」
シェマ「その特効薬が ミリュレ花という
    高地周辺の極限られた場所にしか生息しない花で・・・」
エルナ「じゃあそれを採ってくれば!!ナイジ!」

ウル「ならんっっっ!!!!!ごほっげほっ ううっ!」
ロンガ「婆さん!大声を出すな! 容態が悪化したらどうするんだ!」
ウル「ならん ならんぞ・・・ あのあたりは今・・・! シェマ ナイジ!
   お おぬしらになら分かるはずじゃ どれだけ危険な場所か・・・!!」

エルナ「で でも!!そうしないと婆様が!!」
ウル「いい いんじゃよ エルナ 天命じゃと 受け止めるつもりじゃ
   それに これ以上 ワシに心配をかけないでおくれ・・・
   残された時間を・・・ こうして みとってもらう方が ワシは・・・
   うぅ~! ごほっげっげっ!!」
エルナ「婆様・・・!」

シェマ「ナイジ すこし 部屋の外へ・・・」
ナイジ「は はい・・・」

・・・

シェマ「私は長老になってから この島のため がんばってきたつもりだ
    だが いつもカラ回りで 皆に不便ばかりかけた
    そして 今回はウル長老までも・・・」
ナイジ「そ そうですね」
シェマ「・・・そこは否定しないのか・・・ それより・・・
    ナイジ お願いだ ミリュレ花を みつけてきてほしい!
    キミも見覚えがあるはずだ あの花を・・・
    デーボには私のほうから頼み込んでみる
    私は ウル長老を・・・
    これ以上エルナ様に大切な人を失って欲しくない・・・!」

ナイジ「シェマさん・・・ 分かりました 仲間を募って
    行きます!シディララマへ!」
シェマ「ありがとう・・・! 可能なら私も行きたいが・・・
    島の皆に心配をかけたくない・・・ 何か方法を見つけ出す!
    それまで頼んだぞ・・・ ナイジ!」

・・・

~ファーム~

マイヤ「ふー!今回はいい研究結果が出たわ!ふふふ
    やっぱり私は天才ね」
ナイジ「マイヤさん!!!」

マイヤ「なっ!なによ急に! びっくりするじゃないの!」
ナイジ「ウル長老がサパリャ風邪にかかって!
    エルナさんたちがつきっきりで看病してるけど・・・
    ミリュレ花が今すぐ必要なんです!」
リトバ「サパリャ風邪っていったら・・・シディララマの病気じゃないですか!」

マイヤ「あら それは大変ね でも私はそんなもの持ってないわ
    けど 咲いている場所くらいは いくつか知ってるわ」
ナイジ「本当ですか!!」

マイヤ「当たり前じゃない だって サパリャ風邪の特効薬として
    ミリュレ花の成分を特定したのはこの私だもの じゅう・・・
    いや 私がまだ小さかった頃ね そうよ 小さい頃よ」
リトバ「す すごい そんな頃からもうバリバリの研究者だったんですね・・・」
マイヤ「当然よ 私はなるべくして天才になったのよ」
    
フラセール「でも あの海域は瘴気が濃くて
      船を出せるような場所じゃなくなってるハズ」
マイヤ「ふん それがあるのよ どんなに瘴気が濃くとも
    船を出すことが出来る推進剤が その設計図もここに」
ティッキ「煌きの推進剤・・・ ・・・うん!わかった!
     この通り合成すればいいんだね!ティッキにおまかせっっ!!」

ナイジ「すげぇ 見ただけで分かるのか・・・ どれどれ
    材料は 輝鳥の羽根と 煌恵土・・・う 持ってない・・・」
リトバ「あ!アタシ 煌恵土ならこの間モルグさんから買いました!
    家庭菜園を始めようとおもって!!」
ナイジ「な なんか絶妙に信用できないな・・・」
フラセール「オレも輝鳥の羽根なら持ってるぜ
      今すぐ神殿からとってくるよ!」

マイヤ「それと・・・ 連れて行くモンスターは念のため
    雷属性の技を使えるモンスターがいいわ」
ナイジ「雷・・・? あの それはなんで?」
マイヤ「考えれば分かるでしょ!
    雷属性に弱いモンスターが多い土地に生えてるからよ
    初めから対策を練っておけば それだけ早く見つけられるわ」
ナイジ「マイヤさん・・・ こんなに優しくて頼りになるなんて・・・!」

マイヤ「誤解しないでほしいわね
    私はただあのあたりがどうなってるか知りたいだけよ
    というわけで 私も同行させてもらうわ」
ナイジ「じゃあ!オレはすぐに同行してくれる人を探してきます!
    船着場で待っててください!!」

・・・

~船着場~

ナイジ「ムリを言ってすみません!レアルさん!カルダオさん!」

レアル「当然ですよ それに シディララマと聞いては・・・
    行かないわけには いきませんからね」
カルダオ「まぁオイラもギンギライガー使いとして 行くっきゃねぇべな!
     ベルさんがいないのは残念だけどなぁ・・・」
レアル「ベルさんは別の遠征地へ赴いていますからね・・・
    ここはボクたちが彼女の分までがんばりましょう!」

ティッキ「みんなー!! 推進剤ができたよー!!」
マイヤ「あら 思ったよりずっと優秀そうなメンツが揃ったわね」

ナイジ「ティッキ!マイヤさん! ・・・これが煌きの推進剤・・・!」
ティッキ「うん! 皆で作った推進剤だよ!
     だから 絶対ミリュレ花を持って帰ってきてね!」
ナイジ「ああ! 必ず持って帰るよ!
    じゃあ 留守をよろしくな! ティッキ!」
ティッキ「うん! まかしといて! ナイジ!」

デーボ「おーし! じゃあ役者は揃ったな!
    目指すはシディララマだ!! いくぜっっ!!!」

???「ちょっとまったあああああああああ!!!」
ナイジ「こ この声は・・・!!!」

モルグ「私だ」
シンム「ムシュア!」
ナイジ「おっさん・・・呼んだ覚えはないぞ・・・」

モルグ「まぁそういわず!!
    なんでも花を探しにいくそうじゃないか
    しかも聞いたことも無い名前だった」
ナイジ「・・・ど どこでソレを聞いたんだよ!!」

モルグ「ん 噴水で水浴びしてたら
    船着場から花というワードが聞こえたので」
ナイジ「ハムかアンタは・・・」

モルグ「ふふふ・・・ 花のあるところ モルグあり・・・
    5000年前から言われていることだよ」
ナイジ「ふえてる・・・」

レアル「まぁ いいじゃないですか 仲間が増えるのは」
カルダオ「そうだよナイジ 何がいけないんだ?」
ナイジ「ふ・・・2人はこのおっさんがどんなヤツか知らないから
    そんなことがいえるんだ・・・」
モルグ「ぐへへへへへ」
シンム「ムシュシュシュ」

マイヤ「そんなことより早く出航なさいな
    手遅れになっても知らないわよ」
デーボ「おお! そうだった! こうしちゃいられねぇ!
    全速力でいくぞ!レシオネ!!」
レシオネ「きゅううーヒイイイ!!!」

・・・

~船上~

モルグ「おっはなー おっはなー おっはおっはなー♪」
シンム「むっしゅしゅーむっしゅしゅー!」
ナイジ「のん気なやつらだ・・・」

モルグ「ところで ナイジキュンたちは
    どうしてそのミリュレ花を必要としているのかね
    たしかあのあたりは出航が許されないハズだけドゥ」
ナイジ「・・・ああ ウル長老がサパリャ風邪にかかって
    それを治すために なんとしても必要なんだ
    だから ウル長老には内緒で こうして遠征に」

モルグ「ほー なんとも 因果な理由があるんだぁなー」
ナイジ「そりゃ花が見たいっていうだけじゃこんなことしないさ
    まぁ こうして出航できたのも マイヤさんのおかげ かな」
モルグ「マイヤ・・・ あー そこのおばさんかぁ」

マイヤ「・・・おば・・・」ゴゴゴ

ナイジ「う まずいっ! おいおっさん!早く謝れ!」
モルグ「んー? 私はおっさんと言われても気にしてないじゃないか
    事実を指摘されて怒る人はいないよ
    ぽわーーーっはっはっは!!!」

マイヤ「・・・」プチ

ナイジ「うぇっ!やっべ!」
モルグ「ん?」

ドゴシュッッ・・・

モルグ「もるぐっ・・・」ヒューン・・・

・・・バシャーン・・・

カルダオ「おっさんフッ飛んだあああああああ!!
     そして落ちたああああああ!!!!おい!早くロープぅぅう!」
ナイジ「・・・いや いいんじゃないかな もう・・・」
レアル「デリカシーが無い人でした・・・ 放っておきましょう」

カルダオ「いいのかよ!!!陸までどれだけあると思ってんだ!
     あのままだと溺れ死んじゃうぞ!」
マイヤ「だからいいんじゃない 変なのは帽子だけにしなさい」

カルダオ「こ・・・(こえぇええええええええ!!!)」

ナイジ「シンム 新しいご主人見つかるといいなー」
シンム「ムシュ」
ナイジ「ほら 気にしてないぞ」

カルダオ「の 乗る船を間違えたかもしれない・・・」

・・・

~シディララマ港~

デーボ「さぁ ついたぜ オレはここで待ってるから
    さっさととって帰ってきな!」
ナイジ「このあたりはまだ あの時と変わらないか・・・」
レアル「たしかに でも やはり廃れていますね・・・」

マイヤ「感傷に浸ってるヒマはないわ さっさと広場まで行くわよ」
ナイジ「シンムは留守番だな」
シンム「シュシュシュ!」

・・・

~シディララマ第一階層広場~

ナイジ「ここも あんまり変わらないな・・・
    ノラモンだらけだけど・・・」
マイヤ「あら? ゲートが閉じてるわね・・・
    ・・・ だめ 開かないわ」
ナイジ「ん そこはルセタラへのゲートですよね
    たしか・・・ 襲撃のときモンスターが入り込まないように
    鍵時計で閉じたっきりだったハズです」
マイヤ「それは困ったわね
    ミリュレ花の主な自生地はルセタラの奥地なのに」
ナイジ「でも オレはたしかシディララマで・・・」
マイヤ「そうね 確かに稀に咲くこともあるわ
    とりあえず第三層にあるアルレム長老の家にある
    レベル1ゲートの鍵時計をとりに行きましょう
    途中 ミリュレ花が咲いてるかもしれないし」

カルダオ「ニオイさえ分かればラーネイルがすぐ見つけられるんだけどなぁ」
ラーネイル「グルル・・・」

ナイジ「シディララマ・・・」
レアル「やはり つらい・・・ですか・・・」
ナイジ「はい・・・ すこし・・・
    レアルさんもシディララマ出身ですよね」
レアル「そうですね・・・でも 今はそんなこと 気にしてはいられない
    ・・・進みましょう・・・」
ナイジ「・・・」

~第二階層~

ナイジ「あ・・・ 橋が・・・落ちてる・・・」
レアル「ここも・・・ 面影はあれど・・・
    モンスターが闊歩する場所になってしまいました・・・」

ナイジ「あ あそこはヒューリさんの・・・ あっちは食材屋・・・
    ・・・クリュテさん・・・ いまどうしてるのかな・・・」
マイヤ「・・・はぁー! ウジウジと景色眺めてないで
    少しはミリュレ花を探しなさいよ」
ナイジ「す すみません・・・」

カルダオ「・・・ まぁ オイラも 分からなくないけどな そのキモチ」
ラーネイル「グルゥウ・・・」

チモック「キー?」
ナイジ「チモック・・・ 大丈夫だよ」

~第三階層~

マイヤ「よかった 中央市場への橋は落ちてないみたいね」
ナイジ「休憩所も崩れず残ってますね
    一度だけしか 行けなかったけど・・・」
レアル「・・・そう この上に長老の家があります・・・」

・・・

ナイジ「・・・あっちの橋は・・・ 落ちてるか・・・」
レアル「おや? ナイジ君 何か探しものですか?」

ナイジ「いや 向こうのあの建物 ランナのやつの店なんです
    何か・・・ あったら持って帰ってやろうかなって・・・」
レアル「優しいんですね」
ナイジ「い いや そりゃ 色々世話になってるし・・・」
カルダオ「そんなことよりツェーテさんのお店はどこか
     教えたまへ!ナイジくん!!!」
ナイジ「か・・・ カルダオさん・・・」
マイヤ「そんなことはいいからこっちの階段のガレキをどかしなさいよ!」

ラーネイル「!!!グルルルルルル・・・!!!!」
カルダオ「ん どうした ラーネイル」

ナイジ「な なんかそのうめき声は いい思い出がない・・・」
カルダオ「おお ビンゴだ 悪い知らせとすごく悪い知らせがある」
     どっちから聞きたい?」

ナイジ「・・・ じゃあ 悪い知らせから聞かせてください」
カルダオ「ノラモンに見張られてる」

ナイジ「・・・じゃあ すごく悪い知らせというのは・・・」
カルダオ「50体くらいいる」

ナイジ「・・・なにが・・・」

マイヤ「な なによこいつらあああああ!!!!!」

レアル「マイヤさんっ! あ あれはっっ!!!」

ムスモノクス.jpeg

ムスモノクス「フンゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

ナイジ「む ムスモノクスだ!!!
    渓谷にしか生息してなかったのに・・・何で!?」
レアル「襲撃の後無人になった廃都に住み着いたんでしょう・・・
    そして瘴気で凶暴化している・・・!!サバキ!!!」
サバキ「ヒヒィイイイイイイイン!!!」

バリバリバリバリ!!!

ムスモノクス「フゴギャアアアアアアアアアアア!!!」

ナイジ「すごい! サバキの雷撃がまた強くなってる!」

ムスモノクス「ァァァァアアアア・・・ フガーーーー!!!」

バシィッ!!!

レアル「雷撃を弾いた!? 今度こそっ!!サバキ!」
サバキ「ブルルッ!!!」バリッバシッ!

カルダオ「よおし!! ラーネイル!!こっちも雷撃だ!!」
ラーネイル「グゥルガッハッ! ぐぅううう・・・・!!」バリバリッ

ナイジ「チモック! ファイアボルトだっ!!!」
チモック「キュキュウウウー!!!」

マイヤ「ちょ ちょっと! 私がいること忘れてない!!?」
    
3人「くらええええええええ!!!」

ドオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!

ムスモノクス「フッゴぉおおおおお!!!」

バシィイイイイイイイ・・・

ムスモノクス「・・・ゴッフ・・・」ドシャアアア・・・

ナイジ「よし!」
マイヤ「よしじゃないわよ! 危ないじゃない!!」
カルダオ「でも今のはラーネイルの雷撃のおかげだな」
レアル「いや サバキの雷撃もなかなか」

ナイジ「そ そんなことより・・・! 今ので終りじゃないですよ!」

ムスモノクス1「ふんごおおおおお!!!!」
ムスモノクス2「ふぎゃー!!ふぎゃー!!!」
中略
ムスモノクス24「ふがあああ!!」
ムスモノクス25「ふんぎー!ふんぎー!ごおお!!」
中略
ムスモノクス40「きゃー!きゃあああ!!!」
ムスモノクス41「ぎゃっほおおおお!!あ゙っっ!!!」

ナイジ「って多いわーーーーーーー!!!」
レアル「・・・!仲間を倒されて激怒してます!」
マイヤ「ちょ あんた達Sランクでしょ! なんとかしなさいよ!」
ナイジ「あ オレまだBです」
マイヤ「知ったことじゃないわ!」

カルダオ「た たしかに 1匹1匹倒していけば・・・
     なんとかなるかもしれねーべ けど・・・」
レアル「ええ・・・ その通り 問題は ムスモノクスの使う技と・・・
    ボクたちのモンスターの相性・・・!」
マイヤ「なによ それがどうしたっていうのよ! 答えなさいよ!」

レアル「・・・ ボクとカルダオさんのモンスターは
    同じ雷属性を得意とするモンスターですが・・・
    それと同時に 共通する属性を弱点に持つんです・・・」
カルダオ「それが・・・ 土属性・・・」
マイヤ「ま まさか・・・」

ナイジ「帝王猿の仲間のムスモノクスは
    ・・・土属性の強力な攻撃を使います・・・!」
マイヤ「なんですっ・・・」

ムスモノクス達「フンがあああああああああああああ!!!!」

ドッ ッギャアアアアアアアアアア!!!!ン!!

マイヤ「ッてぇえええええええええ!!!!」
カルダオ「ちくしょー!!! なんて威力だよ!
     流石にあたったらやべーよ!!!」
ラーネイル「グゥアッ!」

ドガアアアアアアアアン!!!!

レアル「しかも・・・範囲攻撃っ! 避け続けるのにも限界が・・・!
    サバキ! 気をつけてください!」
サバキ「ぶ ブルッ!」

バゴオオオン!!!ブルオワアアアア!!!

マイヤ「いやあああああ!!!なんでこんな偏ったメンバーなのよ!!!」
ナイジ「マイヤさんが
    雷属性のモンスターを連れて来いって言ったからですよ!」
チモック「キュキュワー!!!」

バゴシャアアアアアアアアア!!!

マイヤ「そ そうだわ! ワーム使いがいたでしょ!!
    ワームなら土属性に耐性がある! そいつを盾にしなさい!!!」
ナイジ「そいつはマイヤさんが途中海に落としましたあああああ!!!!」
チモック「キュキュー!!!」

ズゴボキャアアアアアアン!!!

ムスモノクス達「ギャアフギャッフボンボワー!!!」

マイヤ「い いやあああああ!!!こんなときっ・・・
    こんなとき アイツなら・・・」






???「ギガトルネード!!!!」

ズオオオオオオオ・・・・!!!

ムスモノクス達「ふごっ!?ふぎゃああ!!!」

かわいそうなおさる.jpeg

ムスモノクス達「フキャー! キー! キャー!」

ピューン ピューン・・・

カルダオ「な なんだ!!? あの竜巻は!!」
レアル「ムスモノクスが 吹き飛ばされていきます・・・!」
ナイジ「こっ この技はっ たしかっっ!!!」ばっ

アトロポス.jpeg

ナイジ「あっ・・・ アトロポスだあああ!!!!」
レアル「アトロポス!?
    シディララマで一番華麗な技を持つといわれるあの・・・!!
    ということは・・・!」

きゃー!シェマさまー!.jpeg

ナイジ「あ シェマさんだ」
レアル「本当だ シディララマ長老代理の シェマさんですね」
シェマ「ちょ ちょっと待ってください!!
    なんですかこの扱いの差は!!」

カルダオ「おい! 話してる場合じゃねぇよ!
     まだムスモノクスがっ・・・!」

ムスモノクス「フン ガアアアア!!!!」グワッ

シェマ「! アトロポス! アクアンブレイクです!!」
アトロポス「はぁーっあ!!」ヒュッ

もっとかわいそうなおさる.jpeg

ムスモノクス「ふんっごっ・・・」

ドシャアア・・・

ナイジ「す すげぇ・・・! アトロポスさんすげぇ・・・」
レアル「ブランクがあるといえ これほどとは・・・!
    流石はアトロポスさんです」
シェマ「あ あのー 私は・・・」

・・・

シェマ「ふう なんとか片付きましたね・・・」
マイヤ「ふうじゃないわよ 長老がこんなところに来て
    大問題じゃない」
シェマ「うっ!そ それは・・・ おや きみは・・・」
カルダオ「ま まぁまぁ!
     シェマさんがこなかったらヤバかったのは確かだしさ!」

シェマ「うむ・・・ このムスモノクスのことを思い出して
    いても立ってもいられなくなり・・・
    ムリを言って船を出してもらったのだ・・・」
ナイジ「・・・まぁでもシェマさんが規則を破ったなら・・・
    これであのことは不問になりそうだな・・・」

シェマ「ん? ナイジ 何か言いましたか?」
ナイジ「い いや! なんでもないですよ! ね!カルダオさん!」
カルダオ「・・・・・・ ん お! おお! そうだなー はは・・・」

シェマ「? ・・・それと・・・ どういうわけか ココへ来る途中
    海のど真ん中で とんでもないものを見つけてな・・・」
ナイジ「それってまさか・・・」

モルグ「グオエアオロロッロロロ!!!メガネ女ァアア!!!」
カルダオ「すげぇ! 生きてやがった! ワーム顔負けの生命力だぜ!!」

マイヤ「チッ 悪運の強い男ね・・・」
モルグ「ここであったら百海里目じゃああああ!!!
    そのメガネカチ割ってくれるからカクゴしいやああああ!!!」
ナイジ「メガネだけでいいのか・・・」

モルグ「きえーい!! モルグ神拳奥義!!ようそうさんきゃくかく!!!」バッ

マイヤ「ウザイ」さっ

ドンッ

モルグ「うおっ!?」

ナイジ「あ」
レアル「あ」
シェマ「あ」
カルダオ「え!!!!?」

モルグ「お? お? お?」スカッ スカッ スカッ

モルグ「・・・」

モルグ「あああああああああああああああああぁああああ
    れえええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・・」ヒューン

カルダオ「落ちたあああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

マイヤ「そうね」
ナイジ「落ちたな」
レアル「落ちましたね」
シェマ「まぁ見事に」

カルダオ「うをおおおおおおい!!!!なに落ち着きはらってんだよ! 
     え!!? ここ一体! 何mあると思ってんの!!?」
マイヤ「どうでもいいじゃない」
ナイジ「落とした石の音が聞こえないくらい?」
レアル「水が地面に落ちないくらいでは?」
シェマ「いや この里を築いたときの記録によると・・・」

カルダオ「えええええええ!!!? いや! 海とは比べ物にならないよ!!? 
     たしかにウザかったかもしれないけどさ!!
     なにも殺すことないだろ!!!」
シェマ「・・・ああ そうか
    カルダオはガランカナンの出身だから知らないのか」

カルダオ「え」
ナイジ「なんていうか このシディララマの崖から落ちるヤツってのは
    年に何人かいるんだけど・・・」
レアル「死ぬことがないというか
    しばらくするとフラッと帰ってくるんですよね」
シェマ「私の古い友人も落ちたことがありましてね
    ははは その時はさすがに焦りましたが」

カルダオ「なにそれコワイ!!!シディララマ人怖い!!!」

マイヤ「そういうことよ 落ちて死ぬことは無いわ
    まぁ 落ちる途中岩壁で頭を打ったら分からないけど」
ナイジ「いやぁ おっさんならそれでも死ぬ気がしないなぁ~」
レアル「まぁ 海岸線に流れ着くんじゃないでしょうか」
シェマ「私もクレハザ岬に流れ着くと予想しますね」

カルダオ「イヤ!!もうイヤ!! 早く帰りたい!!
     おかああちゃあああん!!!」

マイヤ「ああ そんなことより 探し物をしないと
    あの男のせいで要らない時間を食ったわ
    じゃあアナタ達は 見張りでもしてなさいな」
レアル「ではボクは この里をよく 目に焼き付けておきましょう・・・」

ナイジ「それにしてもシェマさん シェマさんまでやって来たら
    ウル長老に流石にバレるんじゃ・・・」
シェマ「私もバカではない そのへんはちゃんと手を打ってあるとも」

・・・

~その頃のユタトラ~

ロンガ「婆さん!今ナイジたちがシ・・・
    島中を捜索してミリュレ花を探してるからな!
    それまでくたばるんじゃないぞ!!」
エルナ「必ず見つけ出すって約束したから!」
ウル「うっ ゴホッ いいや あれは特別な花じゃ・・・ 
   それに いよいよダメかもしれんの・・・
   シェマとアトロポスがぼやけて見える・・・」

シュマ&アトロボス.jpeg

シュマ「・・・・・・・・・」ダラダラ
アトロボス「はくっ! はくっ!」ムシャムシャ

ロンガ「きっ きのせいだ!! そんなこたぁない!!
    そうだろう!シェマ!アトロポス!!」

シュマ「・・・・・・・・・」コクコクコク
アトロボス「んむっ はふはふ!」ムシャムシャ

エルナ「そ そうよ! 気のせいよ!
    それにシェマさん最近食べ過ぎたっていうし!」
ロンガ「必ず助かるから気を抜くんじゃないぞ 婆さん!!」
ウル「ううっ ごほっ ごほっ・・・」

・・・

シェマ「・・・というわけだ 我ながら冴えたひらめきだとお・・・」
ナイジ「バレるに決まってんだろ!!!!」
レアル「いくら病のご老人といえど・・・ バカにしてるんですか!!」

シェマ「じ・・・実は私もアレはどうかと思ったのだが・・・
    他に適役がいなくて・・・」
ナイジ「質量とか考えろよ!」
レアル「バカですかあなたは!!」

シェマ「か 仮にも助けにやってきた人間に対して
    なんてことを言うのですか!」

マイヤ「なにモメてるのかしら
    こっちは鍵時計 と ついでにアルレム長老の日記も・・・
    確かに拝借してきたわよ」
シェマ「・・・おや? それはどこの鍵時計ですか?」
マイヤ「広場のゲートのものよ」

ナイジ「ルセタラへのゲートが閉じたままなんですよ
    だから鍵時計がないと進めなくて・・・」
シェマ「広場のゲートの鍵時計ならすべて私が管理していますよ
    今もほら 常に持ち歩いています
    いつまたあの広場に立つことになるか 分かりませんからね」

マイヤ「はぁーあ!!? もうアンタッッ 帰りなさいよ!!」
ナイジ「そんなもんオレたちが行くって言ったときに渡しとけよ!!!」
レアル「空気以前に状況を把握してくださいよ!!!状況を!!!」

シェマ「こっ!・・・こんなにも長老という仕事がつらいものだとはッ・・・!」
カルダオ「なんかオイラ ロンガ長老を見直したよ」

そして一行はルセタラへ向かうべく一度山を降りるのであった・・・
Published by Gamepot Inc.(c)TECMO,LTD. 2009

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